診療のご案内

診療概要

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診療科の特色

科の診療目標は
腎疾患の早期診断、早期治療により慢性腎臓病(CKD)の進行を抑制、
さらには透析療法への移行を阻止、抑制することにあります。
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CKDが1ステージ進むごとに透析療法を要するリスクが高くなりますが、同時に心血管イベントのリスクも高まります。
逆にステージを前に戻せば透析導入だけでなく死亡のリスクも減少します。
血尿、蛋白尿を呈する方には腎生検などの結果に基づき最適な治療方針を立てて完治を目指し、既に腎機能が低下した方には腎機能を少しでも改善すべく、あらゆる手を尽くします。
透析導入に至らないようにするために、できることは全て行い、「慢性腎炎の完全緩解」「腎機能の回復」を目指します。

主な対象疾患
  • 糖尿病性腎症
  • 腎硬化症
  • 慢性糸球体腎炎(IgA腎症、IgA血管炎など)
  • ネフローゼ症候群(微小変化型ネフローゼ症候群、膜性腎症、巣状分節性糸球体硬化症、膜性増殖性糸球体腎炎)
  • 急速進行性糸球体腎炎(ANCA関連腎炎、抗GBM病)
  • 血栓性微小血管障害症(血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群、非典型溶血性尿毒症症候群)
  • 遺伝性腎疾患(多発性嚢胞腎、Alport症候群、菲薄基底膜病、Fabry病)
  • 膠原病(ループス腎炎、強皮症腎、結節性多発動脈炎)
  • 二次性高血圧(悪性高血圧、腎血管性高血圧、アルドステロン症)
  • アミロイドーシス
  • パラプロテイン腎症
  • 尿細管間質性腎炎
  • 痛風腎
  • IgG4関連疾患
  • 電解質異常
期腎不全に至ったときには
腎代替療法を選択する必要があります。

腎移植、腹膜透析、血液透析の3つがあることを患者さんに示しますが、その選択には戸惑いも大きいかと思います。そのため私たち医療者と患者さんとで、いっしょに考えてまいります。透析療法が必要な方には、シャントや腹膜透析カテーテルの手術を最適のタイミングで行います。また腎移植の紹介も行います。

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当院での血液透析は、2020年度より火木土クールも開設し、より多くの透析患者の受け入れができています。また血液透析のほか、腹膜透析の導入や、腹膜透析に週1回の血液透析を加えたハイブリッド透析も行っております。
病棟・中央診療棟4階に人工透析室があります。人工透析部では血液透析以外にも、重症筋無力症やGuillain-Barre症候群、類天疱瘡などの自己免疫性疾患に対して施行される血漿交換療法、潰瘍性大腸炎やCrohn病、膿疱性乾癬などに対する白血球吸着療法、薬物療法に反応しない閉塞性動脈硬化症や巣状分節性糸球体硬化症に対するLDL吸着があります。このように血液浄化は多岐に亘るため、他科と連携を取りながら診療しています。

また当科はCKD保存期のときから全身を診ることの重要性を意識しており、透析患者だけでなく保存期CKD患者に多い心血管合併症や骨粗鬆症にも気を配っております。これらは貧血や鉄欠乏への介入、あるいはミネラル骨代謝異常に対する介入で改善することもよくあり得意とするところです。
2021年より電子カルテ上で早急に電解質異常を主治医に通知し、当科への紹介を促す「電解質バスターズ」というシステムを立ち上げ、他科からコンサルトを早急に行える体制も構築しました。
さらには、悪性腫瘍に伴った腎障害に対応する腫瘍腎臓内科外来も火曜に開いています。

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