大学院をお考えの方

大学院生からのメッセージ

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Message
私は現在社会人大学院生として大学病院で働きつつ臨床研究(仮説を立て、患者さんのデータを収集整理、解析、考察する)を行っていますが、これは大学院でしか学べないことであり、臨床医としての能力に磨きをかけることができると考えます。
身の診療に生かす能力
大学院に入る前、専門医として臨床現場に立つ中で、自身の専門分野における知識は深まり、診療能力は自ずとたかまりましたが、一方で臨床上の疑問も増えてきました。
例えば、ごく一般的な病気であってもガイドラインだけではかゆいところに手が届かない場合、広く行われている治療ではあるもののエビデンスが確立されていない場合にどう判断すればよいのか。さらには製薬会社からの「有効性が証明された」とするデータを実臨床にどのように生かせばよいのか。これらは多くの臨床医を悩ませる問題だと思います。
このような疑問に対して大学院は答えを出す能力を与えてくれると思います。
つまり、ガイドラインに盲目的に従うのではなく、これを批判的に吟味し、自発的に最新情報を取捨選択し、自身の診療に生かす能力を養えると考えます。
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まれた環境
環境の面でも恵まれていると思います。指導教官は世界でも有数の研究者であり、大学病院の業務も研究の負担にならないよう外来が免除されるなど優遇されています。給料についても透析等バイトで賄うことができ、バイトの拘束時間はあるものの内容はハードではありません。
海外含め学会にも積極的に参加しており、私もこの度アメリカ腎臓学会で発表しました(英語論文に触れる機会が多く、徐々に慣れるので、初め英語が苦手でも大丈夫です)。希望者は将来的には留学も可能です。

これを読んだ皆さんが名古屋市立大学病院腎臓内科学研究室に興味を持っていただいたらとてもうれしく思います。

名古屋市立大学 腎臓内科学 病院助教 春日井貴久

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Message
大学院博士課程に在籍しています。
臨床現場で気づいた身近なResearch Questionを、臨床研究を通じて具体的に表現できることに魅力を感じ、入学を決意しました。
ぶ機会が広がる
私は社会人大学院生として、普段は大学ではない市中病院に勤務しています。コロナ禍を経た今では、共通科目の講義は全てオンラインで受講することができ、自身の研究テーマについては、指導医の先生とメールでのやり取りを主に質問などさせていただいています。時々仕事終わりに大学に赴き、直接対面で指導いただくこともあります。遠隔にいても各々の環境に応じて勉強を続けることが可能なため、学ぶ機会が広がったことをうれしく思います。
また、大学院に入学したことで、教室内のオンラインのケースカンファレンスに参加するなど、大学の先生方との交流も増えました。これまで知らなかった他病院での臨床現場とも情報を共有することができ、新しい出遭いに視野が広がりました。学生として図書館での文献検索や、学割を利用した学会参加、PCソフトの購入など、研究を進める上での支援も充実しています。

腎臓内科や臨床研究に興味のある方、ぜひともに学びましょう。

刈谷豊田東病院 診療科医長 平塚真紀

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Message
私は自身のスキルアップを目指して、社会人大学院生という形で医学研究科に入学しました。とはいうものの、医学研究科入学前までは殆ど臨床しか経験しておらず、研究といっても時々自己流で取り組んだものを学会に報告する程度であり、基本的な臨床研究に関する作法を全く理解していないような状態でした。
識をより一層深める
そのような臨床研究に関して全く無知に等しい状態であった私に対して、指導教官である濱野教授から非常に丁寧に、時に厳しく御指導を頂きました。『on-the-job training』として臨床データを使って実際に自分の手で解析を行うことを徹底的に御指導頂き、座学での勉強のみではなかなか頭に入りにくい論文や参考書から得た知識をより一層深めることが出来ました。濱野教授とのディスカッションの際には、解析データや研究テーマに関連する論文、周辺知識に関して、鋭く私の知識や準備不足等を御指摘頂いた上で、毎回『宿題』として追加解析や勉強すべきテーマ等を御提示頂きました。毎回のディスカッションを経ることで、自分自身の勉強量の少なさを自覚するとともに、論文を調べる、勉強するという習慣を根付かせることが出来たと実感しております。
床研究を丁寧に学ぶ
研究データが固まり、いざ論文を執筆するという段階においても、論文の流れや英語表現等に関して非常に丁寧に御指導を頂きました(私は人一倍英語が得意ではなかった為、本当に御迷惑お掛け致しました…)。投稿規定に指定された文字数の範囲内で出来るだけの情報を詰め込む為に、冗長な表現や繰り返しを避け、すっきりとした流れで全体の文章を構成する重要性を学ぶことが出来ました。
本学の大学院での経験から、研究者としての心構えを学ぶことが出来ただけではなく、臨床のエッセンスも同時に教わることが出来、大きな財産となったと感じております。毎回のディスカッションを経ることで、自分自身の勉強量の少なさを自覚するとともに、論文を調べる、勉強するという習慣を根付かせることが出来たと実感しております。

現在市中病院に勤務されている腎臓内科医の中で、現在の職場に勤務しながら臨床研究や自身のスキルアップに興味があるという方は、社会人大学院という方法もあります。両立させるのは大変かも知れませんが、腎臓内科学講座では各人の状況に配慮しながら臨床研究に関して非常に丁寧に学ぶことが出来ますので、選択肢の一つとして考えて頂いてもよいかと思われます。

成田記念病院 腎臓内科部長 永井将哲

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